2016年も早いもので1ヶ月が過ぎました。今月は2月12日の金曜日、種子島宇宙センターよりH-IIAロケット30号機の打ち上げが予定されています。
搭載されるペイロードはX線天文衛星の「ASTRO-H」です。「ASTRO-H」は、ブラックホールや超新星残骸、銀河団など、X線やガンマ線を放射する高温・高エネルギーの天体を観測することで、その物理現象の解明に挑む人工衛星なのだそうです。
目次
人工衛星「ASTRO」シリーズ
ところで、「ASTRO-H」のHは、AからB、C、D・・・と数えてH番目の人工衛星です(EIIとかいちゃいますけど!)。そしてこれらのうち、軌道投入が成功したものには愛称がつけられています。
以前記事にした「次はX線天文衛星「ASTRO-H」。ASTROシリーズって何があるの?(過去記事)」に愛称もまとめてあります。
アストロシリーズの名前に意図は?
ASTROシリーズには「ひのとり」、「てんま」、「ぎんが」、「あすか」、「すざく」、「あかり」といったユニークな名前がつけられています。
これらネーミングには何か意図があるのでしょうか!?
ASTRO-A 「ひのとり」
主に太陽フレアを観測したASTRO-Aは、漫画家 手塚治虫の作品「火の鳥」にちなみ「ひのとり」と命名されたそう・・・。太陽フレアが火の鳥みたいだからでしょうか??
ASTRO-B 「てんま」
「てんま」は、日本初のX線天文衛星「はくちょう」の後継機です。はくちょう座には有名なX線源があるそうで、それ由来の「はくちょう」は納得として、「てんま」の方は、ペガソスの和訳である「天馬」を由来にしているのだとか・・・
白鳥が進化したところで翼の生えた馬になるわけもなく・・・謎です。
ASTRO-C 「ぎんが」
「てんま」の後継機です。「ぎんが」とはずばり「銀河」を由来とするらしいです。銀河を観測するから!?もはや名前の範囲が広すぎて意図が読み取れません(T_T)
ASTRO-D 「あすか」
『「あすか」(飛鳥、ASCA;Advanced Satellite for Cosmology and Astrophysics)と命名されました。』だそうです・・・
ASCAの方は「宇宙論や天体物理学のための高度な衛星」ということですが、先に「飛鳥」と付けてから考えたはず。なぜ「飛鳥」なのでしょう・・・
ASTRO-EII 「すざく」
ASTRO-Eは失敗しちゃったのでASTRO-EIIです。
「朱雀」というのは伝説上の神鳥であり宇宙の守護神でもあるそうで、それを由来とするらしいのですが、X線源となる高温のプラズマや、遠方の銀河団、ブラックホール候補天体、活動銀河核などの観測が主目的だそうで、守護神という感じでもありません・・・
飛鳥の次ってことで藤原京・平城京にちなんだ「朱雀」という話しも・・・
どうやら人工衛星の役割から命名されているわけでもなさそうですね。
ASTRO-F 「あかり」
何もない様に見える漆黒の空でも、実はうっすらと光っているそうです。中間赤外線カメラでその光をとらえるのがASTRO-Fだそうで、どうやらそこが「あかり」という名前に繋がっている様です。
Fまできて、やっと最もらしい理由が見つかりました。
次のASTRO-Gは、搭載を予定していた高精度アンテナが技術的に作れず中止になってしまったそうで、ASTROシリーズの名前はここまで。
ネーミングの根拠って・・・
ASTRO-E(失敗したやつ)の名前は公募を募っていた様でした。失敗してしまったためお詫びの手紙が送られたそう・・・。他のASTROシリーズの名前が公募だったかすら分からなかったのですが、公募でつけたにしても職員がつけたにしてもネーミングの根拠って何なのでしょう・・・
結局、由来みたいなのは見つかりましたが、なぜその名前にしたのかは分からず仕舞いでした(>_<)
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