最近はJAXAにより打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」に興味があります。その打ち上げ結果をネットで見ていて「はやぶさ2分離」→「しんえん2分離」→・・・と書かれており「しんえん!?」と思ったところから、H-IIAロケットがはやぶさ2だけでなく数台の衛星を打ち上げている事を知りました。
小型副ペイロード
「衛星」と書きましたが、今回の相乗りした3機は地球の周回する衛星ではないので、「ペイロード」と呼ばれています。なんでもロケットに乗せた主衛星の他、ロケットの打ち上げ性能に余裕があれば小型の衛星を搭載して打ち上げてくれるそうです。
今回のH-IIAロケット26号機では主衛星を「はやぶさ2」に、公募して合格した3機の小型副ペイロードが宇宙へと羽ばたいたということです。
「はやぶさ2」と相乗りする小型副ペイロードに注目! | ファン!ファン!JAXA!
はやぶさ2と相乗りしたペイロード3機の概要
小さくてもユニークな3機
はやぶさ2と相乗りした3機の小型副ペイロードについて簡単に調べてみました。小型ながら高性能かつユニークな3機でした。ちなみに主衛星のはやぶさ2は箱がH1400×W1000×D1600mm で、太陽電池パドルを開いた幅は実に6000mm、質量は 約600㎏ におよびます。
PROCYON(プロキオン)
東京大学とJAXAが開発した小型の深宇宙探査機です。外形寸法が H630×W550×D550mm で質量は 約65㎏ という、モノによりますが高さを少し低くして重さを2倍にした全自動洗濯機の様な小型惑星探査機です。太陽電池パドルを開いて飛んでいきます。
PROCYONはなんとはやぶさ2と同じ様に地球スイングバイを利用してどこかの小惑星を目指すのだとか。
しんえん2
九州工業大学が開発した小型のペイロードです。遠距離での相互通信や、軽量かつ溶接もでき加工も簡単な炭素繊維強化プラスチックで機体を作って宇宙で使い物になるかを実証そうです。形は14面体で、外形寸法がH475×W495×D495㎜で質量は 約17.9㎏という、PROKYONより10cmほど小ぶりにした大きさです。軽量というだけあって30Lクラス(大きめ)のオーブンレンジと同程度の重さです。
円形で全面に太陽電池パネルが付いているのは、どの向きでも太陽発電ができるように設計してあるのだと思います。
ARTSAT2-DESPATCH(アートサット・ツー デスパッチ)
多摩美術大学が開発した小型ペイロードです。美術大学が開発と知ってびっくりしました。確かに渦巻き型のおもしろいデザインだとは思ってましたが、てっきり飛行を考慮した形なのかと・・・。機体自体が3Dプリンタで造形した深宇宙彫刻でもあるそうです。東京大学との共同制作だそうです。単なる美術品ではなく宇宙生成詩の創作といってセンサーから受けた信号から生成した電波を送信する機能も持っています。
大きさは外形寸法が H496×W471×D457mm で質量は 32㎏ と、しんえん2と同程度の大きさで、重さは2倍には届きませんが、しんえん2よりは重ためです。それでもPROKYONの半分程度です。そのぶん、太陽電池すら備えていなく機能も乏しいですが・・・。
はやぶさ2はもちろん、これらペイロード達がどういった成果を残すのか楽しみです。
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