H-IIAロケット高度化。30号機は搭載衛星を優しく切り離す。

「H-IIAロケット高度化」というのは、簡単に言えばこれまでのH-IIAを改良してより高性能なロケットとして打ち上げる事です。H-IIAロケット高度化はこれまでに2回行われています。H-IIAロケット26号機、29号機、そして2015年2月12日打ち上げ予定の30号機です。

衛星を優しく送り出す~基幹ロケット高度化開発の取り組み その2 | ファン!ファン!JAXA!
ASTRO-Hを乗せたH-IIAロケット30号機も高度化仕様。

H-IIAロケット26号機

小惑星探査機「はやぶさ2」を乗せて打ち上げたH-IIAロケット26号機では、これまでより長く慣性飛行を続けられる様になり、第2段エンジンの第2回燃焼開始も長時間空けても可能になりました。これによってはやぶさ2を深宇宙へ送り出すために最適なタイミングでロケットから分離してやることが出来ました。

H-IIAロケット29号機

カナダの通信衛星「Telestar 12 VANTAGE」を乗せて打ち上げたH-IIAロケット29号機では、26号機での成果に加えてロケットを回転させて同じ面ばかり熱くならない様にしたり、蒸発する燃料を有効活用して燃料消費を抑えたりすることで、人工衛星を目的の軌道のより近くまでロケットで運べる様になりました。

H-IIAロケット30号機

そして今度は、ロケットから衛星を切り離す際の衝撃を抑え、優しく切り離すことを目指します。優しく切り離せる様になると衛星をあまり頑丈に作らなくてよくなるため、設計もし易くなるそうです。これが成功すれば衛星分離時の衝撃レベルは世界ワーストレベルから世界トップレベルへとレベルアップも果たします。

これまでは爆薬を用いて締付ボルトを瞬時に切断することで、ロケットと衛星とを切り離していたんですって!それは衝撃も大きいはず・・・。それを爆薬ではなくラッチ機構の部品に置き換えることで、ゆっくりと優しく切り離すことができるのだとか。

成功するか!?ASTRO−H!

H-IIAロケット30号機の打ち上げ予定は2016年2月12日、ロケットの打ち上げはいつみてもハラハラするのですが、今回の高度化では打ち上げの最後の最後、衛星を分離する部分が大きく改良された訳です・・・。

果たしてASTRO−Hは無事に分離できるのか!?

最後まで気が抜けませんね!
ライブ中継が楽しみです(^_^)。

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