10月8日水曜日、月に反射するはずの太陽光を一時的に地球が遮ってしまう「皆既月食」がみられました。
満月がのぼり、18時14分30秒から月の一部に地球の影が落ちる部分蝕が始まり、19時24分30秒過ぎから月全体が地球の影に入る皆既月食が始まり、19時54分30秒過ぎには地球が落とす影のど真ん中に入り「蝕の最大」を迎えます。その後、20時24分30秒に地球の影を抜け始めると、21時34分30秒過ぎには完全に地球の影を抜け出してもとの満月の状態に戻る流れです。
深い曇り空
晴れていれば3時間にも及ぶ皆既月食の全工程が観られるところでしたが、観測場所に選んだ東京はあいにくの曇り空。最初こそかけ始めた月が雲の隙間から姿をのぞかせていて方向は掴めましたが、その後はずっと空は見えども8割がた厚い雲に覆われた絶望的な状況。30分粘ったもののほとんど見えず、あきらめて帰ることに決めました。
ところが帰る途中、晴れていればすごくよく見れそうな場所を発見。まだまだ雲は厚くかかっていましたが、わずかな可能性にかけ、カメラを構え、そこで待機することにしました。
いくら見晴らしがよくても厚い雲がかかっていてはどうしようもありません。でも時折雲の隙間から月が覗いていたため、皆既月食中も月が覗くことを期待して待っていました。
月食と知ってる人から声かけも・・・
道端で三脚を立ててカメラを曇り空に向けているのは少し恥ずかしいですね。チラチラこちらを見ていく人がたくさんいました。以前にラブジョイ彗星を見ていた時もそうでしたが、中には話しかけてくれる人もいて、雲で月がまったく見えない時には年配の男性が、通りすぎたかと思えば戻ってきて「月は見えないかー?」と聞かれたり、30代後半くらいの外国人男性が寄ってきて「ムーン?…クラウド?…」と何やら英語で話しかけてきたり、月が見えている時には、車が道の真ん中で止まったかと思えば40代くらいの女性が降りてきて「月蝕?どういう風になるの?」と月蝕について聞かれて説明をしたり、その後も通りがかった同じく40代くらいの女性に「何時くらいまで見えるの?もう暗くなるのは終わっちゃった?」と聞かれたり、それも非日常で楽しかったです。
皆既月食は粘り勝ち
肝心の皆既月食ですが、蝕の最大を過ぎたあたりから雲がだいぶ捌けてきて、後半の部分月蝕が半分過ぎるくらいまでは雲の隙間からきれいな姿を観察できました。
ちなみに蝕の最大を迎えた19時54分30秒付近も雲は厚かったのですが、奇跡的に雲の隙間から皆既月食の月が覗き観察できました。
皆既月食の月は姿を現してすぐに隠れてしまいましたが、この結果に天体好きとしては待機しては大正解。曇り空にもめげず粘り勝ちでした。
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