少し前の話ですが、6才になる息子のプログラミング教室の様子を見学してきました。
1回見学しただけの感想ですので、たまたまかもしれません。でもその授業内容にはがっかりしてしまいました。たった1回の見学だけで、授業内容にがっかりしたという記事を書くわけですので、教室の運営会社名を書くのは控えておきます。
とある小学生低学年向けスクラッチ教室(プログラミング教室)を見学して思った私の感想です。
目次
感性豊かな子供は遊ばせておいた方がいい
子供達は楽しそうに授業を受けてましたし、終わった後も「楽しかった」と言ってましたし、子供に悪影響とは決して言いません。
ただ、私の幼い頃の経験上、感性豊かで頭の柔らかい子供なら、スクラッチを与えて自習させておけば、もっと実りある学習になると思うのです。
子どもが考える時間は考慮されてないの?
先生が「四角の書き方」や「動きの変え方」などを「こうやるんだよ」とか、「この前、どうやったか覚えてる?」だか話して手本を見せます。
それを子供達が真似てやるのですが、うまくできなかったり、やり方を覚えられずおどおどしていたり・・。まあ、教室なのですからうまくできないこと自体は特に問題ないでしょう・・・。
ところが・・・
先生は席を回ってできていない子がいると「こうやればいいの。」と、子供のマウスを手に取ってささっと操作しておしまい。試行錯誤する時間もなければ、今やったことがどういうものなのかも解説しないのです・・・。
私がプログラミングに触れた小学生時代の経験上、「こんな動きをさせたい」という好奇心があって、知ってる知識を練ってチャレンジして、ダメなら試行錯誤を繰り返したり、本や雑誌を見たりしてステップアップしていくのが楽しくて仕方ありませんでした。
教室として教えているからには、試行錯誤して工夫してプログラムをくみ上げる考え方を引き出してやれるカリキュラムでないといけないと思うのです。
それってそもそも終わる気あったの?
私が見学した回は、絵を自分で書いて、書いた絵をプログラミングして動かそうという授業でした。
最初から駆け足の先生・・、特に手間取ることもなかったものの、絵をひとつ描いて、もうひとつ描き始めようか・・というタイミングでタイムアップ。プログラミングにはほとんど入れませんでした。
絵を2つ書いて、その絵にプログラミングを加えて動かそうというその回は、絵をたったひとつ書き少し(中途半端に)プログラムを組み入れただけで終わってしまったのです。
「次回早く来た人は続きやりましょう」という先生でしたが、あと1時間あっても終わらないでしょう・・。どんな授業計画だったのか・・
到底終る分量だったとは思えません。
プログラミングって「完成」で終わらせることが難しいんですよ・・。かなり根気が必要なのです。私が小学生だった頃、未完成のままのプログラムがどれほど多かったか。
子供が自発的に思いついた発想ではなく大人がお題を与えているのだから、完成したときの喜びを伝えないで、なにがスクールなんだと思ってしまいます。
・(1)既成の絵を動かすプログラムを作る。
・(2)オリジナルの絵を描いて差し替える。
・(3)オリジナルな絵にもう一枚加えて、絵に動きをつける。
・(4)プログラムを修正して絵に新しい動きを加える。
この4回構成にでもすれば、毎回の授業で完成を実感できるし、小さく作って大きくしていくプログラミングの手法も学べるし、これならどれか一回休んでも(2回でも3回でも)出席した授業だけでも授業が成立するし、授業にゆとりがあれば子どもが試行錯誤したりできる人はアドリブを加えたりする時間も確保できたのではないでしょうか。
先生がわかっていない
そして極めつけ。先生のある行動を目の当たりにして、「あー・・それはこんな授業にもなるわ・・」と思いました。
2枚目の絵を描きましょうとなった時のことです。「好きな絵を描いて」ということで、2〜3分後、息子が何を描こうか考えて線を書き始めたくらいのタイミングで「もう時間がないの。まだ描けていない人は~と操作して1枚目の絵を2枚目にコピーしてください」と言い始めました・・
2、3分でオリジナルな絵が書けるわけないでしょう・・
そして最大の問題が訪れます・・
まだ絵を描こうとしている息子の前にたまたま回ってきた先生は、「こうやればいいの。」とマウスを子供の手から取り上げ(優しく取り上げてました)、1枚目の絵を選択すると、コピーするボタンを押すところ、間違って書いた絵を消去するボタンを押してしまったのです。
先生の誤操作で、息子の書いた1枚目の絵すら消えてしまいました。
すると先生は慌てる様子もなく「あら、消えちゃった・・ごめんなさいね。」と言うなり、別の生徒を回り始めたのです。
絵がないと何も進まないのに!?
気になってはいたのですが、説明のところで「1つ戻す」ボタンを1つ消す、「消去(クリア)」ボタンを全部消すと教えていた先生・・。子供だましもいいとこです。
「線をひく」も1つの操作、「絵を消す(消去)」も1つの操作なんです。そして「1つ戻す」は1つ前の操作を取り消す操作なのです。
プログラミングの世界では万国共通です。つまり基本です。
「1.線を引く」「2.四角を描く」「3.消去する」と操作して、「4.1つ戻す」と操作すると、「1つ戻す」の前の「3.消去する」が取り消されるので、「1.線を引く」「2.四角を描く」した時の状態になるのです。
授業で手を貸したくなるケースがちょこちょこあったのですが、さすがに口を出しすぎるのはいけないだろうと、ここまではほぼ見学者に徹していた私でした。が・・・
しかしこの状況はあまりにもかわいそうなので、見かねた私は息子に「『1つ戻す』で消しちゃったのも戻るはずだよ。」と伝え、「1つ戻す」ボタンを押してあげました。
先生が消してしまった絵が、消す前の状態に戻りました(=復活しました)。
息子もどうやらほっとした様子でした。
ほどなくして時間も尽き、「時間がないから保存するよ」とみんなのところを回ってきた先生・・、復活した息子の絵を見たはずなのですが、全くコメントもリアクションもありませんでした・・
いやいや・・ひどかった・・
終わったあと息子に「いつもこんなに中途半端に終わっちゃうの?」と聞くと、いつもではないけどたまにあって、前回も終わらなかったと言います。
そういえば今日の授業始めに先生が、「前回のやつ~がなかったから動かなかったの。~を足しておいたから動かしてみて。」と言っていたのを思い出しました。
思うに前回は、プログラミングをするも意図した動きにはならず、原因不明で終わっていたようです(予想)。
その後で先生が原因を見つけて、全生徒のプログラムを修正、生徒達には「~がなかったから動かなかったので、先生が足しておいたので動かしてみて。」と言っておしまいとは・・何の教育にもなっていません。
まあ、さすがに「無駄だから」と子どもが「楽しい」と言っているものを止めさせてしまうより、楽しい気分のまま続けてもらう方がプラスでしょう。授業としてはイマイチですが、好奇心をかきたてるきっかけにはなってますしね。
子供に「ダメな授業だな」と言わない様にしようと思います。もし子供が「授業がダメ」と言ってきたら「そんなことないよ」とは決していいませんが。
ただ、次のステップでより高度なswiftというプログラミングの講座も開かれるらしいのですが、そこは私がきっかけを与えてやれば、あとはスクラッチでの培った基礎と、若い頭脳の独習だけで上達すると思いますし、行き詰まったところは私がアドバイスできますし、わざわざ高い月謝を払ってこんな教室には通わなくても独習させればいいと思ってます。
中間とワイワイ楽しめるという団体学習のメリットも、今やインターネットやSNSで、その気になればいつでもだれとでも、レベルに応じたコミュニケーションが図れますしね。
それには、スクラッチ講座に通っている間に、自宅でもスクラッチに自由気ままに触れられる環境を用意してあげなければな・・・と思っています。
・・・つまりパソコンを買い与えようかということですが、お金がないんですよね。そこをなんとかがんばります。。
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