2019年6月、Oracleが主催する『【東京】MySQL 8.0 入門セミナー ~インストール&アーキテクチャ基礎編~』というセミナーに行ってきました。
PCの持ち込みが可能で、MySQLのインストールの方法から、アーキテクチャの基礎や基本的な使い方を解説するとあらば、技術寄りなMySQL8.0ハンズオン寄りと思ってしまうのも仕方ありません。
目次
セミナーの概要と雰囲気、参加者の顔ぶれ
概要の前に
無線LANが用意されているわけでもなく、そもそも講師がコマンドを打つこと無くパワーポイントのスライドで説明していく形式のセミナーであるため、PCを持参したところでメモを取る程度には使えますが、画面に映し出されたコマンドを手元で試して確認していく時間などありませんでした。
コマンドもMySQLに対してSQLを発行するのが主体であるため、前提知識に書かれていたLinuxの基本コマンドは全く知っておく必要ありませんでした。
セミナーの概要
MySQL8.0のインストール方法
インストール方法はネットも繋がらない中、スライドだけで退屈なほど丁寧な説明でした。説明は約30分。ここでまず1回目の休憩を迎えたのでした。
MySQLはどんなデータベース?
最も普及しているオープンソース(OSS)のデータベースでLineやYouTubeやらで使われているのだとか。3種類のラインナップ、無償版の MySQL Community Server、有償版のEnterprise Edition、ミッションクリティカル向けの MySQL Clusterがあることと、それぞれの特徴などの説明がありました。
パーサーや、オプティマイザ、実行計画、エグゼキューター、ストレージエンジンなどと技術っぽい単語は出てくるものの、技術要素は単語どまりで製品ラインナップの説明がほとんどでした。
Oracleデータベースとの違い
MySQLと同じ、Oracle社の主力データベース Oracleデータベースとの違いも説明されました。
ただし、Oracleでは存在するがMySQLにはシーケンス、スナップショット、マテリアライズドビュー、シノニム、パッケージが無いだの、逆にMySQLには空間データ型やJSON型をサポートしている程度に留まりました。
技術的な要素としては・・・
MySQLの操作説明も、予め用意されたSQL文を使ってのテーブル作成やINSERT、UPDATE、DELETE程度でした。前提知識に書かれていたSQLの基礎を持っていればなんでもないSQLです。
セミナーの概要
つまるところ、それっぽい単語を織り交ぜながらMySQL商品ラインナップの紹介という感じでした。
セミナーに参加者の顔ぶれ
セミナーは満員でした。100人くらいは居たと予想しています。
参加者の顔ぶれですが、入門セミナーということもあり学生が多く居るのかと思いきや、 8割方はスーツ姿の男性で、年齢層は30代〜50代ほどでした。
女性は30代ほどの社会人がちらほらいらっしゃいました。
技術の現場から離れているけど、製品導入等でデータベース製品を比較検討している方向けか?
セミナーを受けて感じた参加者像
セミナーの概要のところで触れましたが、「最近出たばかりのMySQL8.0が題材」というのは釣りで、それっぽい技術単語を織り交ぜながらMySQL商品ラインナップの紹介という感じでした。
題名と内容がミスマッチだと感じてか、開始早々からちらほらと会場を後にする方が散見されました。それらの方は早々に見切りをつけれた方で、私を含めそれ以外は「せっかく来たし聞いていくか・・・」という感じだったのではないかと感じました。
題名がしっかりと内容を表していれば、もっと有意義なセミナーになったのではないか?と感じました。
QAの質問から読み取れる参加者像
セミナーの最後には、講師と同伴していたMySQL技術者が参加者の質問に答えてくれる質疑応答時間が設けられていました。
質疑応答の中で、次の様な質問が挙がっていました。
- 「ストレージエンジンが違うテーブルのJOINはできるのか?」
- 「Community Server と Cluster はレプリケーションできるのか?」
- 「基本は InnoDBクラスターと説明があったが、他のストレージエンジンはどういうときに使うのか?」
- 「無償版のCommunity Editionには使えるディスク容量など制約はあるのか?」
- 「複数OSのサポートや文字化けなどの心配はないか?」
- 「Linux版、Windows版、Mac OS版、どれが一番おすすめとかあるのか?」
- 「マイナーアップデートの際に、注意すべき事項はあるのか?」
一連の講義が終わった後とは思えない、講義ではほぼ触れられなかった技術的な質問の数々。
参加者はセミナーの題名の通り、MySQL8.0の技術的な知識を求めていた事が見て取れました。
必要なセミナーか見極めて参加しましょう。
これから参加を考えている方向けに、私が参加して感じた率直な良かった点、イマイチだった点を挙げておきます。
セミナーの良かった点
- 参加料は無料。
- 会場の自販機に無料のドリンク(フリードリンク)が何種類かある。
- 腕前確かな技術者が質疑応答してくれた。
- OracleがMySQLに力を入れていることが知れた。
- 導入を本気で考えたら、後日コンサルティングも受けれる。
- 製品ラインナップなど、それまで見向きもしていなかった事に触れるきっかけができた。
セミナーのイマイチだった点
- 最新のMySQL 8.0だからこその話しは無かった。
- PC持参しても無駄だった。
- 前提知識で求められている以上の技術話はなかった。
- 開催案内に「Wi-Fi有り」と書かれていたが、会場にWi-Fiの用意はなかった。
- 晴天で暑い日だったが、会場内はとても寒かった。
こんな人にMySQL入門セミナーはおすすめ
前提知識
あくまでも、私が『【東京】MySQL 8.0 入門セミナー ~インストール&アーキテクチャ基礎編~』を受講して感じた前提条件です。
- SQLの知識は不問。
- データベースとは何かを何となく理解している。
- データベースソフトウェアにはMySQLやOracleなど何種類か存在することを知っている。
- データベースソフトの違いが何か、名前以外の違いが分からない。
こんな人におすすめ
何度か触れていますが、内容としては「MySQLの製品紹介」といった感じでした。製品ラインナップやそれぞれの違い、ライセンス体系などの話しが有り、MySQLの導入を考えている人にはとても有効なセミナーだと感じました。
また、最後の質疑応答では知識や経験が豊富そうな技術者が応答してくれたのが最も好印象でした。興味を持ったら導入まで相談に乗ってくれると言っていました。
『MySQL 8.0 入門セミナー ~インストール&アーキテクチャ基礎編~』は、MySQL8.0の技術習得目的での参加、個人での利用を考えている方にはおすすめできません。
企業に勤めており、データベース製品の比較検討を開始した方や、MySQLを導入に向けて上司や経営層を説得する必要のある方には価値のあるセミナーだと思いました。
私が題名を付けるなら、「MySQL 8.0 入門セミナー ~企業に選ばれているOSSデータベース~」でしょうか。Oracleが毎年各地で開催しているセミナーですので、興味を持った方は是非受講してみてください。
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