仕事から帰ってきてテレビをつけると、「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組が目にとまりました。そういえばこのシリーズ以前にも見たことがあり、とても興味深い感動的な「これぞプロフェッショナル!」と叫びたくなるような内容だったのを覚えています。
今回はどんなプロフェッショナルが登場しているのだろうかと見ていると乳幼児に肝臓移植を施している笠原 群生 医師のエピソードでした。
凄腕でいて、謙虚。
番組の概要はNHKの公式サイトに譲ることにします。
笠原群生(2017年7月10日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀
移植外科医、笠原医師がテーマでした。
小児生体肝移植のプロフェッショナルということで、10年生存率は91.1%の成功率を誇るのだそう。これは全国平均を大きく上回る数字なのだとか。
この先生、成功率の高さを鼻にかけているなんてことはなく、救えなかった患者がいる度に悔やみ、勉強・研究し、次につなげることで高い成功率を実現しているのでした。
ロッカーには救えなかった患者の写真が貼られ、オペの前には「救えなくてごめんね」という気持ちや「これからも全力で取り組むから応援して欲しい。」とか写真に思いを込めてオペに望むのだとか。
移植用の肝臓を分けてもらえないかと他の病院に掛け合ったり、一部だから分けて貰えると連絡があったときには心底、何度も何度も繰り返し「ありがとう」とお礼を言うなど、謙虚さあっての凄腕であることが分かります。
笠原 群生 医師のポリシー
番組で明確に紹介されていたのは『信念は「やるのではない、やりきる」こと。』ということ。「どんなリスクが起こりうるかということを、事前に全部洗い出しておかないといけない。いっぱい勉強して、いっぱい経験して、初めてやりきることができる」と言うのです。
「命を預かる仕事だから、失敗は決して許されない。」のだそう。まあ、この手の発言は普通に誰でも言う発言ですが、信念の話しがあってからのこの発言なので、とても強い使命感が伝わってくる言葉に成っていました。
その他にも、生体肝移植は最後の手段、生きるか死ぬかの選択を迫られているタイミング、しかも乳幼児や小さな子供の移植なのだから、両親は「たとえ自分の命と引き替えにでも、子供を助けたい。」と思ってこの場に来ている、絶対に救わなければならないという言葉も胸にぐっと突き刺さりました。
そして、小さな子供に肝臓を移植し終えて、綺麗な血色が確認できた肝臓をなでて「がんばった。がんばった。」と言うシーンや、手術室を出て「よかったよかった。」と繰り返す様子も「やりきる」ことができた結果、こぼれる言葉なのだと思いました。
しかし、子供の急性・・・という肝臓の病気は怖いですね。
肝心な病名は忘れてしまったのですが、急激に肝臓が機能しなくなる病気を煩った小児患者の肝臓移植がクライマックスで大きく取り上げられていたわけですが、この病気怖いです。
1才の患者は、ほんの数日前まで元気に遊び回っていたそうで、それが一転して肝臓が機能しなくなり、黄疸が現れ、目も覚まさない状況に・・・
こんな病気があるだなんて知りませんでした。とても恐ろしい病気です。
その子は手術後、2日ほどで劇的に回復し目を覚まし、そこから数日してご飯もたくさん食べる様になった様子が映し出されてハッピーエンドで締めくくられていました。
笠原 群生 医師と出会い、父親は持病で肝臓移植ができず、母親も産後まもないために肝臓に脂肪がついていて肝臓移植してもうまくいく確率が低いと困ったところに脳死で臓器提供の意思を示している患者が現れ、でもドナー待ちの2番手で、笠原 群生 医師が1番手の患者がいる病院に、1才児の急性・・・で一部でいいから肝臓を分けて欲しいと交渉した末に、肝臓移植が成功して定着し、救われた命。
笠原 群生 医師のプロフェッショナルな仕事あって呼び起こされた奇跡ではあるのでしょうけど、奇跡あってこの子は救われたと言わざるを得ません。
この、「プロフェッショナル仕事の流儀」という番組、感動話しであると同時に、自分の仕事のやり方について見つめ直すきっかけになる番組なのでとても気に入っています。
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