2015年2月12日、鹿児島県の種子島宇宙センターからASTRO-H(アストロ・エイチ)という名前の人工衛星が打ち上げられます。打ち上げにはH-IIAロケット30号機が使われます。
このASTRO-Hという人工衛星、
どんな人工衛星なのでしょうか!?
簡単に整理してみました。
ASTRO-Hは天体望遠鏡です。
ただし、天体望遠鏡と聞いて私達がイメージする様なレンズがついた天体望遠鏡とは違います。普通の天体望遠鏡は可視光線(目に見える光)を拡大してみる事ができますが、ASTRO-HはX線(目に見えない光。レントゲンもX線です。)を見ることができる望遠鏡です。
X線を見ると何が見えるのか?
数百万℃以上の高温の天体がX線を出しています。X線を見ることで、この様な宇宙空間に高温で存在している天体を見ることができます。
ちなみに太陽は約6,000℃ほどです。太陽の輝きからも分かるように、6,000℃ほどの天体は可視光線を多く出しています。
では何がX線を多く出しているのか・・・?
それは、ブラックホールなどです。
そもそも宇宙にあって私達が観測可能な物質の80%は、X線を出す高温な物質らしいのだとか・・・。ASTRO-Hなら、そんなブラックホールなど、普通の天体望遠鏡では見えない高温の天体(物質)を見ることができるのです。
人工衛星にする必要はあるの?
私達は地球上から天体望遠鏡で天体を観測しますよね?(当たり前ですね・・・)
それならASTRO-Hも地上から観測すればいいのでは??いいえ、X線は地球の大気で吸収されてしまうので、大気圏の外、つまり宇宙空間に置いてやらないといけません。だから地球を回る人工衛星として打ち上げてやる必要があるわけです。
X線天文学の歴史
X線天文学は約50年の歴史があります。これでも新しく始まった若い学問分野なのだそうです。X線の観測はその頃から行われてきました。ASTRO-Hは日本だけでも6機目のX線天文衛星なのです。
日本はX線天文学の分野ではさきがけであり、世界中の研究者から期待と注目を集めているのだそうです。
X線天文衛星としては最新かつ最大級の大きさを誇るASTRO-H、未だ見ぬ(見えぬ)宇宙の謎を解き明かすためにASTRO-Hは2015年2月12日、宇宙えと旅立とうとしているのでした。
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