ついに2015年12月7日、金星探査機「あかつき」による「金星周回軌道への投入(のための姿勢制御エンジン噴射)」が行われました。
この「あかつき」、5年前に金星周回軌道に乗せる予定だったものの、その時はまさかのメインエンジン破損で失敗・・・。金星から遠ざかってしまったものの、それから5年かけて再度金星に到達、メインエンジン故障のまま今回の軌道再投入へと望んだのでした。
金星周回軌道への投入に成功
JAXAの記者会見によると、金星周回軌道への投入は成功だそうです。現在「あかつき」は金星を約13日かけて周回する軌道に乗っているとので、機器の動作確認と初期観測を行いながら、軌道制御を行って金星を約9日で周回する軌道へと移動するのだそうです。
冒頭の写真は金星探査機「あかつき」が軌道投入後に撮影した実際の画像で、2015年12月7日14:19ごろ(日本時間)に 金星高度およそ7万2千kmから撮影したものだそうです。
詳しくは以下JAXA(ISAS)のサイトにて。
ISAS | 金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入結果について / トピックス
「あかつき」の軌道投入結果が図表を交え完結に報告されています。
これからの観測経過が楽しみです。
「あかつき」の観測能力
金星探査機「あかつき」には謎の多い金星の気象を観測するための6個の観測装置が備えられています。詳細な解説はJAXAページに委ねるとして、ここでは簡単に整理しておきます。
- 1μmカメラ(IR1)
地表面や低層の雲・水蒸気を観測します。活火山の検出も狙えるそうです。 - 2μmカメラ(IR2)
雲や一酸化炭素の分布やその動きを観測します。 - 中間赤外カメラ(LIR)
雲の温度分布とその変動を観測します。 - 紫外イメージャ(UVI)
雲頂にある二酸化硫黄などの大気成分を観測します。 - 雷・大気光カメラ(LAC)
雷放電による発光や大気の化学的発光を観測します。 - 超高安定発振器(USO)
金星大気の層構造を観測します。
ISAS | 金星探査機「あかつき」PLANET-C / 科学衛星
金星探査機「あかつき」の機体データです。
なお、冒頭の金星写真は4番の紫外イメージャで撮影した画像です。
とてもきれいに映っていますね。
金星を周回する気象衛星
金星探査機「あかつき」に搭載された機器は、金星の気象を観測するためのものです。金星は雲の上の方は”スーパーローテーション”と名付けられた猛烈な風が吹いているものの、一方で地表近くの風は弱いことが分かっているのだそうです。
地球を基準に考えるととても理解不能な金星の気象、「あかつき」はこれらを解き明かすための気象衛星というわけですね。でも金星は表面温度が500℃と地球と大違いなので、その上昇気流だとか大気の成分とかが関わってきているのでしょう・・・
私の金星知識など息子の絵本レベルですが・・・
これは「はじめてのうちゅうえほん」の1ページです。金星は「強風にご注意!、表面温度は500℃」その他、1惑星1ページで特徴がよく掴める絵本です。惑星だけで無く人工衛星やあまのがわなどの話題も載っています。
子供に読み聞かせながら勉強してます。色使いもきれいで読みやすいのでおすすめです。
「はじめてのうちゅうえほん」(全国学校図書館協議会・日本図書館協議会選定図書)
話しが絵本にそれてしまいましたが、絵本など取っつきやすいものから情報を得たりすれば、これからの「あかつき」の活躍をより身近に感じられ楽しめると思います!
がんばれ「あかつき」!
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