延期そして再延期・・・、2015年8月19日の夜、いよいよ油井宇宙飛行士が搭乗中の国際宇宙ステーション(ISS)に向けて日本のロケットが打ち上げられますね。
目的はISSへのお届け物配達。H−ⅡB(エイチ・ツー・ビー)ロケット5号機に、物資をたくさん詰め込んだ無人宇宙船HTV(エイチ・ティー・ヴィー)5号機が搭載され、打ち上げられるのです。HTVの愛称を「こうのとり」といいます。
そんな「HTV(こうのとり)」の苦労と感動のミッションを題材にした絵本があるんです。宇宙に興味を持ち始めた4才の息子にもっと宇宙好きになってもらおうとプレゼントすることにしました。
目次
息子が宇宙に興味を持ったきっかけ
まずは4才の息子が宇宙に興味を持ったきっかけの話しをしようと思います。
実は宇宙に興味があったのは私・・・。4才の息子は電車好きで単に「つくばエクスプレスに乗りたい」といっているだけでした。息子の期待に応えるべくつくばエクスプレスでの旅を企画することにした私・・・、単につくばエクスプレスに乗るだけではつまらないので、目的地として終点「つくば駅」にある「筑波宇宙センター」に行くことにしたのでした。
つまり・・・私が行きたいだけでした(^_^;)
でも珍しさからか展示物に興味津々の息子、そこで見た展示物やお土産に買い与えたH−ⅡBロケットのボールペン(字は書けないので単なる遊び道具)がきっかけで宇宙に少し興味を持ってくれた様でした。
宇宙の絵本を買おう!
4才の息子も宇宙に興味を持ってきたことだし、何か宇宙に関する絵本でも買ってあげたいなと思いネットで検索してみたところ、HTV(こうのとり)を題材にした絵本がJAXAから発売されていることを知りました。
その本は『
ぼくがHTVです―宇宙船「こうのとり」のお話
』という絵本でした。作者は「ひさまるちゃん」です! ひさまるちゃんって誰???
数ヶ月後(絵本を知ったのが6月くらい)にHTV5号機が打ち上げられますし、家族で夜空を通過するISSを手を振りながら見送り「油井さん見てるかなー」なんて話しをしていたこともあり、話題的にもちょうどいいなと思い、この絵本の購入を決めたのでした。
でも試し読みなどは出来ず、分かるのは表紙だけ・・・。
どんな絵本なのか・・・と少々不安を覚えながらもネットの口コミ高評価だけを頼りに購入決定しました。面白いかもわからないので実物が届くまでは子供には内緒です。
『ぼくがHTVです。〜宇宙船「こうのとり」のお話〜』のネット評判は・・・
ネットでは「マニアックな情報までのっていて大人でも楽しめる。」とか「かわいいけど細かな部分まで描けた絵がいい。」とか「HTV の頑張る姿に感動した。」、「涙なしには読めない」などと口コミ高評価ばかりでした。
買うと決めてからすぐにネットで注文したのですが、残念ながら在庫切れで取り寄せでした。
別に急いでいる訳でも無く、買ったことを子供に言っているわけでも無かったので、気長に楽しみに到着を待つことにしました。
商品到着前、実物を手に取り愕然・・・購入は失敗か!?
絵本を注文して入荷を待っている間、ふたたび筑波宇宙センターへ展示を見に行く機会がありました。今度は私だけ・・・大人一人の気楽な旅でした。
なんと『ぼくがHTVです。〜宇宙船「こうのとり」のお話〜』の実物が筑波宇宙センターの売店にあったのです。試し読みができる様になっていたのでパラパラめくってみました。
「・・・・・・・・・。」
絵はドット絵みたいでコマ割りも微妙な絵本でした。内容も文字が多すぎる印象で購入は失敗だったかも・・・と思ったのが、実物を初めて見た正直な感想でした。
そして数日後・・・絵本が届きました・・・
そんな筑波宇宙センターでの一件があった数日後・・・待ちに待っていた・・・・・・絵本が届きました。
実物は既に読んでおり内容もいまひとつだったことからテンションの下がっていた私は、子供に見せることなく部屋においておいたのです。
その日、たまたま部屋を訪れた息子が即座に発見。息子は絵本の表紙を見るなり「なーにそれ?こうのとりの絵本??」と聞いてきました・・・
よくぞ一目でそこまで(^_^;)
ちなみに字が多い、コマ割りも微妙と言っていたのがどんなかというと、次の写真の感じです。これはどう読んでいけばいいのか・・・
長い・・・でも真剣に聞いている・・・
その晩、早速「読んで」ということで、寝る前の一冊として読むことにしました。我が家では寝る前に何か絵本を読んであげるようにしていたのでその一環です。
読み始めるといつになく真剣に聞いている様子の息子、ときどき質問してきてはまた真剣に聞きいっています。
しかしこの絵本長いです・・・。とても長いです・・・。
物語は4話構成になっていました。
- 第1話 『うちゅうへ!』
組み立てられ数々の試験を経て、種子島宇宙センターから宇宙へ打ち上げられる「HTV」の試練と冒険のお話しです。 - 第2話 『国際宇宙ステーションへ!』
宇宙へと降り立った「HTV」、目的地である国際宇宙ステーションへ到達するまでの苦労の道のりのお話しです。 - 第3話 『にもつのおとどけ』
国際宇宙ステーションへ到着した「HTV」、いよいよ宇宙ステーションとドッキングし荷物を届けるお話しです。 - 第4話 『ちきゅうへ』
荷物を運び終えた「HTV」が地球に帰るまでがミッションです。ただ・・・生還はできず大気圏で燃え尽きる運命にあるのですが・・・
文字やページ数が多いので全て読んでたら疲れてしまいますし、ところどころに織り交ぜられた解説をいちいち読んでいたのではせっかくの物語も伝わりません。大きめの文字のところを重点的に、わかりにくい部分は小さめの文字の部分からかいつまんで補足していく感じで読み進めていきました。
それでも読み聞かせ終わるのに40分くらいかかりました(>_<)。
口コミ通りの感動物語。4才の息子は感動して涙。
特にトラブル回避のあたりは特に熱心に聞いている様でした。
地上管制と力を合わせてトラブルを乗り切るHTVの活躍は見事です。
そして最後、地球への帰還のシーン。クライマックスです。
HTVの目下に広がる広大な地球・・・。大気圏に再突入したHTVは燃え上がり、地上管制の「HTV、任務完了!」の声。これは大人でも胸が詰まるクライマックスです。
読み聞かせ終わった直後、息子は枕に顔を埋めるかたちでベッドに伏せてひくひくしていました。その様子を見て最初は「なんだろう??」と思いましたが「泣いてるの?」と聞いてみると・・・
息子はそのまま顔を上げずに「んーん!ただ悲しくなっちゃっただけ!!」と答える息子でした。少しして落ち着いたのか、寝る準備でトイレとお水飲みに向かう息子、目は少し潤んだままでした。
もう一回「泣いてるの?」と聞くと「んーん!!」と、泣いてしまったのは認めたくないご様子です・・・
翌朝、幼稚園の時間なのに・・・
そして翌朝、幼稚園の園服も着て準備できた息子は「勉強する」と言いだし、『ぼくがHTVです。〜宇宙船「こうのとり」のお話〜』の絵本を自分でパラパラとめくり始めました・・・
字なんかまだ読めないのに、パラパラめくっては「ちっちゃなロケットを切り離すとこ」とか、「熱くなっちゃったとこ」とか、「アームで捕まれるとこ」とか「わからなくなっちゃったとこ」とか、「何時か思い出してるとこ」とか、「帰ってくる燃えちゃうとこ」とか、思い出すようにコメントしていました。
きっとこの辺が感動ポイントだったんですね。
いやいや・・・買って良かったです。
それからもたまに、私も妻も何回かねだられては読み聞かせました。ひとりでめくってることもしばしば。
私が絵本担当の時、息子に「こうのとりの本」と言われると、あまりの長さに内心「えーっ・・・」と思ってしまうのですが、息子が喜ぶのですからそんなことは言っていられません(^_^;) 「それなら一冊だけねー」と笑顔で応じる様にしてました。
「ぼくがHTVです―宇宙船「こうのとり」のお話」筑波宇宙センターで実物を見た時は注文のキャンセルしようかとも考えただけに、これはキャンセルしなくて大正解でした。
インターネットで見切り発車で注文していなかったら・・・、ネットで注文する前に店頭で実物を読んでいたら・・・、実物を読んで大人の判断で注文をキャンセルしてしまっていたら・・・。きっと「微妙な絵本だな・・・買わなくて良かった」と終わっていた事でしょう・・・。
偶然なのか必然なのか・・・なんとも不思議な巡り合わせです。
ぼくがHTVです―宇宙船「こうのとり」のお話(Amazonで検索)
コメント
ひょっこり見つけたこのブログ。
やはり字が多かったか、、、と反省しつつ
最後の、枕に顔うずめる小さな後頭部を想像したら
もらい泣きしちゃいました。
お父さんとお母さんの読み方が
とっても上手なんだとおもいます。
ピュアな息子さんが、宇宙に、HTVに、
興味を持ってくれたこと、とってもとっても、
嬉しかったです!
素敵な感想、どうもありがとうございました!!
まさか、作者のひさまるちゃんですか!?
コメントありがとうございます。とても嬉しいです!そして、「ひさまるちゃんって誰だ??」に始まり、字が多いだの、長いだのダメだしばかりですみません・・・。まさかご本人の目にとまるとは(^_^;)
クライマックスは何度読んでも感動するみたいです。他のシーンではドーリー君がお気に入りで、曝露パレットのところがツボの様で笑っています。おかげさまで息子は宇宙ファンになり、その後息子の希望で再び筑波宇宙センターと筑波エキスポセンターに行ってきた程です。
ステキな絵本をありがとうございました。