乙武洋匡著「だいじょうぶ3組」読みました。(3/5頁)

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ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、この「だいじょうぶ3組」という作品は、手足が無く電動車椅子で生活を送る「赤尾先生(乙武洋匡さん自身がモデル)」が、小学校に教師として赴任し5年3組の担任として修了式を終えるまでの1年間を綴った小説です。乙武洋匡さん自身が持つ3年間の小学校教師経験を元に生まれた喜びあり苦悩ありの心温まる作品です。

子供たちの成長クラスの絆を描いているのはもちろん、赤尾先生が障害を持っているからこそ秀でているということはなく、直面する問題とその対応に悩み苦しみながらも先輩の先生方のアドバイスや教え子達と共に力を合わせて解決していくと言う新米教師赤尾自身の成長ストーリーにも注目です。

また、著者の乙武洋匡さん自身が手足のない障害者であることと、同じ障害を持つ赤尾先生が中心となって物語が進むだけに障害と向き合うことを余儀なくされる作品でもあります。この問題は難しく、いくら作品を読んだからといって障害者と向き合ったとき私自身どの様な行動をとれるかはわかりません。ただ少なくとも街で障害者を見かけた際に反射的に「えっ」と思ってしまうのは慎まないといけないと思いました。子供たちが教室を共にするうちに「先生にはただ手足がないだけで普通の先生」と思ってきたのと同じ、赤尾先生と白石先生がダウン症の女の子と会った時と同じ、知らないうちから見慣れてないという理由だけで身構えて相手やその家族を傷つけることは避けなければと感じました。

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