ちょっといつもと違う、持論的な記事を書きます。
少し前から会社なのか業界なのか、IT企業で「生産性」「生産性」としつこく言われるようになりました。でもどう聞いても個人に対して「生産性」が高い低いと言っている様で好きではありません。
別に個人の手が早い遅いが生産性じゃないですからね･･･
IT業界は個人技なのか！？
これは前々から思っていたのですが、プロジェクトチームとか言っている割には、個々が自分の仕事が終わると帰る。終わらなければその人だけ帰れないというのが多いです。リーダーは個々の進捗を見ては、その人に「間に合うのか？」とかそんな感じ。
個人の手が早ければどんどんと仕事がその人に集中して、結果的に生産性があがる？？全体で見ればたいした生産性ではないですね。
ファミレス上がりの私。
私は学生のバイトから社会人のちょっと初めまで、ファミレスのキッチンで働いていました。これは完全にチームワークです。志の高いバイトから、遊び感覚のやる気のないバイトまで様々な人達と共に、お腹を空かせて待っているお客さんに時間内に料理を提供しなければいけません。どんなに暇であろうと忙しい時であろうと必ずです。
しかもサービス業なので価格も安く、いかに人件費を抑えるかということで、焼き場、揚場、刺身盛り場、洗い場、配膳場などポジションが８カ所あるのに、従業員は４人とかへいきであります。
１人だけ手が早かったところでどうしようもないのです。指示出さないと魚ばっかり焼き続ける人がいましたが、今のIT業界（少なくとも私の会社）は常にそんな感じです。
私の考える生産性
私の考え方ですが、ファミレスで生産性が高いというのは、混雑時には所定の時間（注文から１５分以内）で料理を提供すること、ほぼお客さんがいない時間帯は、８分程度でメニュー見本に近い見た目の完成度の高い料理を提供することだと思っています。
たくさんつくればいいってものではありません。工場ならきっとたくさん作ってたくさん売ることが生産性が高いことだとは思いますが、IT業界もどちらかといえばサービス業なのでファミレスに近いですよね？？
そしてこれは、個人の力ではなく、お店の総力です。
そんなファミレスの生産性を高めるのは･･･
そんなファミレスの生産性を高める為に考えていたことを書きます。
まずはピークを迎える前の自然準備として、作業動線を考えた冷蔵庫内の食材配置、洗い場の食器の配置、ピーク前の下ごしらえと置くの冷蔵庫からポジションの引き出し冷蔵庫への補充、メンバーへの声かけで士気を高める、メンバーのできる／できないを考慮した要員配置と、何時に誰が来て何時に誰があがるかというスケジュール表の記憶です。
実際にピークが始まれば、５分後キッチン内はどうなっているのかを考えた要員の配置変更、個々のメンバーへ全体からみた個々の置かれている状況と何を優先して欲しいかを伝える、状況に応じたリスクに備えられているかメンバーへの確認、次に出さなければならない料理が注文後何分経っているかをメンバーに伝える、メンバーの入れ替わりを意識した交代準備や作業指示、これらをピーク中に繰り返し続けるといったところです。
ファミレス経験者でないとちょっと分かりづらいとは思いますが(^_^;)
生産性に個人は関係ない
「生産性＝手の早さ」だというのなら生産性に個人は関係ないと思います。
同じ事をやらせると早い人は当然いますが、丼をきれいに盛るのが早い人が刺身をきれいに切り出すのが早いかというとそんなことはありません。早いだけで盛りつけを手直ししないとお客さんに提供できないくらいの人もいますが、そんな人でも食器の補充は早くて丁寧だったりしますし、補充は遅いけど優先順位の見極めに優れていて結果誰も困らない（むしろ喜ばれる）という人もいます。
誰が一番生産性が高かったのでしょうね。未だに分かりません。。
意識的に取り組んでくれて、どんどんできる作業の幅を広げてくれる人を評価したことはありますが、手の早さで評価したことはないですね。
そして、「時間帯責任者の舵取りがうまく、その時間帯の料理提供率（何組中何組のお客さんに、注文が入ってから１５分以内に料理提供できたかという割合）が高ければ高いほど、その責任者は評価され（たぶんその時間帯の生産性が高いと評価され）てランクが上がり、その責任者が推すアルバイト達も評価されて時給が上がる。」という図式が成り立っていました。
IT業界も技術的なサービス業ですし、システムに関わる人数もファミレスの比ではないことですし、もっとチームでくくった生産性を評価すればいいのに･･･と思います。
チームの為に土台を作ったり、方式など効率化を図ることに時間を使ってしまうと生産性が低いと評価され、その成果を使って仕事を早く終わらせた人は生産性が高いという様になってしまいますので･･･
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