Nikon 1 シリーズはミラーレス一眼という種類に分類されるデジタルカメラです。ミラーレス一眼(Nikon ではアドバンストカメラと呼ぶ)というのは、デジタル一眼レフに迫る高性能でコンパクトデジタルカメラの気軽さ持ち運び易さを両立した・・・と言えば聞こえはいいですが、少なくとも私が使っているNikon 1 J4 は、どちらかといえば高画質なコンパクトカメラで、デジタル一眼のように素早く被写体を追ったり設定を変えながら撮るシーンではいまひとつという印象です。
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皆既月食撮影に Nikon 1 J4 で挑戦
2014年10月8日は日本で皆既月食が観測できる日でした。前回の皆既月食はデジタル一眼レフ(Nikon D5100) + 高倍率の望遠レンズ(DXフォーマットの200mm) + 三脚 + リモコンという装備で挑みましたが、今回は夕方仕事が終わった直後ということもあり、かさばるデジタル一眼の装備ではなく、あえてミラーレス一眼(Nikon 1 J4) + 高倍率の望遠レンズ(CXフォーマットの110mm) + コンパクト三脚という軽量装備を通勤バッグに忍ばせて撮影に望んできました。
皆既月食撮影 ミラーレス一眼の実力
過去を含めて、デジタル一眼レフとミラーレス一眼とで皆既月食を撮影した印象としてはミラーレス一眼はデジタル一眼レフに比べて設定変更がとても煩わしいものの、画質としてはデジタル一眼レフと遜色ないレベルに思えました。ただ、黒い空のその黒さには、なんとなく違和感を覚えました。気のせいであればいいのですが・・・
オートフォーカス & マニュアルフォーカス
Nikon 1 J4 は月でさえもオートフォーカスで瞬間でピントを合わせてくれました。それは空に浮かぶ月明かりで照らされた雲であっても同様でした。そのため、1度月にピントが合ったらマニュアルフォーカスに切り替えてシャッターを切りたいのですが、これが一苦労。デジタル一眼レフならレンズのフォーカススイッチをMFにするだけですが、Nikon 1 J4 の場合はダイアル部分の[F]ボタンを押してから矢印でフォーカスモードに移動して矢印でMFに設定してOKを押すという操作が必要でした。その間も雲は流れ、月蝕は進むわけで、天候不良の中での撮影ではけっこう焦りました。晴天ならオートフォーカスだけでじゃんじゃん撮れたと思います。
ズーム倍率
天体を撮る上で高倍率は欠かせません。Nikon 1 J4 ダブルズームキットには高倍率の[ 1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6 ] が付属しており、35mm換算で81mm-297mmという画角で撮影できます。これは Nikon D5000 等の [AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED] の35mm換算である82.5mm-300mmとほとんど遜色ありません。
ただし、ズームレンズ付きのキットではなく別途望遠レンズを購入となると、圧倒的にデジタル一眼レフの方が有利です。過去の実績から実に豊富な種類のレンズが販売されていますし、カメラの重量や大きさから大きなレンズでも撮影時の安定感があります。35mm換算で300mmもあれば十分だという場合は、 同倍率でも小型になるミラーレス一眼の方に軍配があがります。
コンパクトさには替えられない
しかし、今回秀でていたのはやはりレンズ込みのコンパクトさでした。デジタル一眼レフを仕事カバンに入れようものなら、それだけでパンパンになってしまいますが、Nikon 1 J4 ならコンパクトカメラ感覚でほとんどかさばること無くカバンに入れられました。加えて、カメラが軽量・コンパクトであるため三脚も小さいものでよく、三脚も仕事場まで持って行くことができました。
やはりミラーレス一眼は高性能
気軽に持ち歩いてきれにな写真を撮りたい。時には天体撮影などマニアックな撮影も楽しみたいというのであれば、コンパクトデジカメよりもミラーレス一眼がおすすめです。普段はコンパクトカメラの様な簡単操作できれいな写真が撮れて、コンパクトカメラでは綺麗に撮れないような撮影シーンでは、設定をいじってカメラの性能を引き出した撮影ができます。それに、レンズを替えて撮影できるので、さらに撮影の幅が広がります。
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